千樹工房/佐竹康宏
木地師、「佐竹康宏」の世界。
昨年の夏、加賀市山中の木地師(きじし)、佐竹康宏氏の工房を訪ねました。
佐竹氏の塗り物は山中塗ではあるものの、従来の山中塗りとはまったく異なる佐竹氏ご自身の感性で作り上げた器、木地挽きから漆塗りに至るまですべてご自身の手によって(工房にて)仕上げられたいわばとても贅沢な塗りものといえます♪
↓2009年秋にお盆の個展が行われ、数ある中から選んでみました。軽くて洗練されたお盆(左)は静かな存在感があり、見る人の目を引きました♪
そして正木椀(右)は、同じ山中在住の人気陶芸家のご友人に飯碗として作られた形だそうです。佐竹氏の器はぜひ一生物としてお使いくださいませ。(途中問題などありましたら、メンテナンスもお受けいたします。当店または、佐竹氏(中にしおりが入っております)にどうぞご連絡ください☆)
☆漆器の価格設定について☆
漆器は、原材料の産地、作り方の工程で、値段もさまざま。とてもわかりにくく、良し悪しの判断も難しいです。
国産のものを使った器、中国産の木地など輸入のものを使った器、あるいは木地を輸入して、仕上げのみ国内で行う器(お椀)などがあります。
今は表示の義務がありますので、そちらで確認することも出来ます。価格的にもだいたいの目安はつきます。
たとえば同じ山中で扱うお椀でも、3000〜5000円前後のお椀であれば、木地挽きまでが中国にて作られている、というようなことが一般的な目安になっているようです。
佐竹氏の工房で手がける塗り物は、それぞれ器に向いた国内産の木材を買い付け、天然漆で仕上げます。
こちらの工房では、ひとつの器に約2ヶ月の月日をかけて木地挽きから乾燥、漆ぬりまで、すべて手作業にて仕上げるそうです。
その工程を部屋ごとに説明していただいた時は、その初めて見る光景に感動せずにはおれませんでした。
ラ・ターブルドートでは、佐竹氏のすばらし漆器の中でも、、ふだんにぜひ使ってみたいお椀をいただいてみました♪
木地としては、おもに欅(ケヤキ)、栃、水楢(ミズナラ)白樫、栗、桜、楓、榎、ブナなどを使用、さまざまな漆器を産み出しています。
お椀は唯一、口に直接触れるもの、そして毎日使うものだから、安全で、ちょっと使って剥げたりしない、しっかりとした器を選びたいものです。
長く半永久的に使うことのできる本物の漆のお椀をご堪能ください。
きっとお気に入りの上位におかれることでしょう♪
(私はもうはまってしまっています)
うず高く積まれたお椀の原型。これから木地師、佐竹氏が巧みな技で素敵なお椀やお盆(写真右)に仕上げていきます♪
今年(2008年)の夏休みは、家族旅行を兼ねて2泊3日で山中町へお邪魔してきました。山中漆器、九谷焼、加賀友禅染、そして大好きな(山中)温泉♪と、3日間時間を惜しむようにして回りました。
佐竹氏の作る定番の器が所狭しと並び、手にとって見せていただくと持った感じが軽やか♪
そしていつまで眺めていても飽きないほどの美しいシェープに感動♪
器を始め佐竹氏ご本人、ご家族の方の素敵なお人柄にも触れられ、思い切ってご連絡をしてよかったと思っております。
佐竹氏率いる「工房千樹」にて生み出される本物の塗り物を、皆様にお伝え出来れば嬉しいです♪
(ブログはこちら。)
ご自宅、アトリエの玄関前(左)。
ご自宅の一部屋はギャラリーになっていて、お椀を始め、お盆、お重箱、お皿に茶托など、佐竹氏が手がけたうつわが並んでいました。
<漆器の使い方>
漆器は使い方、お手入れの方法によって長くお使いいただけます♪
・新しいおろしたての漆器はできるだけ熱湯を避けて 洗うときは、ぬるま湯か水をお使いください。
・洗剤はできれば水で薄め、軟らかいスポンジか布を使ってやさしく洗います。
・固めスポンジやタワシ、磨き粉などは避けてください。
・材質が木なので、長く湯水につけておくことは避けていただき、乾いたふきんで拭いてください。
・電子レンジ、食器洗い機のご使用は避けてください。
直射日光の当たる場所での保存やガスなどの火のそばでの保存も避けてくださいね
★漆器の扱いは人と一緒♪
人が熱湯や硬いタワシなどに弱いのと同じく、漆器もそれと同じ♪毎日体を洗いながすのと同じく、やさしく扱ってくださいませ♪
(家庭画報特選・最新版より)
<佐竹康宏プロフィール>
1952年 石川県山中町に生まれる
1970年 父佐竹常良に師事
1994年 日本民藝館展入賞
札幌芸術の森クラフト展入賞
1995年 第24回山中木地新作発表会永久保存作品に
認定(以後2回認定)
1996年 中日現代漆芸交流展出品
世界の漆展出展
国際漆デザイン展・’96石川入選
1998年 日本民藝館展入賞
1999年 ’99金沢わん・One大賞招待出展
<個展>
1994年赤坂乾ギャラリーにて初個展
↓
2008年6月14〜22日
唐津・岡本作礼 山中・佐竹康宏 東都漆のコラボ展
東京都港区南青山5-16-3 2F
備前焼ギャラリー青山
2008年7月15日〜21日
「九十九歳のメッセージ・国宝増田三男と
二十四人の工芸家展」
日本橋三越本店6階美術部特選画廊
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≪今後、開催予定の個展≫
「木地師 佐竹康宏展」
期間:H22年9月18日〜27日
場所:ギャラリーきほう(東京都新宿区)
「佐竹康宏 木と轆轤と漆展」
期間:H22年10月15日〜25日
場所:ギャラリー古島(千葉市中央区)
「佐竹康宏 木と轆轤と漆展(仮)」
期間:H22年10月20日〜26日
場所:ギャラリーもくきんど(北九州市小倉北区)
「佐竹康宏 作品展」
期間:H22年11月12日〜17日
場所:銀座日々(東京都中央区)
「佐竹康宏 作品展(仮)」
期間:H22年12月開催予定
場所:ギャラリー米田(大阪市中央区)
★詳しくはブログのほうで致します♪
使いやすい形の昔椀(溜・朱)
(家庭画報特選2009・最新版より)
<工房千樹>ホームページ
佐竹康宏氏工房へリンクさせていただきました。佐竹氏の手がけるたくさんの作品や、漆器が出来上がるまで、工房の様子のことなど塗り物にまつわることがわかります^^☆