ちきりや/手塚万右衛門商店
日本人なら誰もが一度は訪れたいと思っている木曽路。藤村の「夜明け前」の舞台となったことで有名ですが、 木曽山中の谷間を蛇行する奈良井川に沿うようにして木曽平沢の集落があります。
400年の伝統が静寂の中で脈々と受け継がれてきた漆の町。そしてその漆の町の通りにある、7代目ちきりや万右衛門、手塚英明氏率いる「ちきりや手塚万右衛門商店」を訪ねました♪
こちらは7代200年の歴史がある老舗の漆器店で、代々の伝統を受け継ぎながらも、常に新しい感覚を取り入れた作品を発表し、木曽漆器の発展に寄与しています。
多数のオリジナル作品が展示してあり、現代の食卓で毎日使うのにふさわしい形のお皿や小鉢、お椀や丼など、多種多様な器が並べられていて見応えがあり、ますます漆器のとりこになってしまった私です。
本店(右)と、資料館店(写真上)店(左)。
漆は約9千年前からすでに塗料や接着剤として使われていました。
漆器が〝Japan〟と英訳されるように、漆塗りの器は日本を代表するものの一つで、現代もその美しさ、安全性、堅牢性においては漆以上の塗料はないと言われています。
本物の漆なら一生を通して使うのは当たり前のことで、きちんと作られた漆器なら修理や塗り直しをして使い続けることが出来ます。
良いものをずっと長く使っていく。こんなスタイルがこれからの時代に求められる〝キーワード〟になるのではないかと思います。
塗師、手塚英明氏とお話をさせて頂いたときには、扱わせていただく側のこちらの気持ちにもスッと一本の筋が入ったような気持ちになりました。漆器に対して大きな愛情と思いやりを持たれていることを実感しました。
私もこれから、色々な器を拝見させて頂き、そして皆様にご紹介していけることを思うとわくわく、今からとても楽しみです♪
~手塚英明氏の漆器への思い。~(ちきりやHPより抜粋させて頂きました)
「木曽の漆器は特別な日に使うものではないのです。
気軽に自由な発想を持って、日常の生活に使っていただきたいのです。
傷つくことなんか恐れず毎日毎日愛着を持って使っていただきたいのです。
毎日使う漆器は消耗品です。少し疲れたかな?と思う頃にはメンテナンスに出してください。器が生き返ります。
作り手はいつも使い手の笑顔を思い浮かべて作っています。
自分が作った器が少しでも日々の生活に潤いを与えられたら
幸いです。
こどもからお年寄りまで皆様に使っていただきたいのです。」
【手塚英明・プロフィール】
1956年 長野県木曽平沢に生まれる <><><><><><><><><><><><><>
1988年 7代目ちきりや万右衛門継承
ジャパンデザインコンペティション石川
1989年 日本精漆工業協同組合理事長賞
日本クラフト展
1991年 優秀賞
全国漆器展
1997年 日本経済新聞社賞
1998年 長野県知事賞
2000年 通商産業大臣賞
2001年 日本漆器協同組合連合会理事長賞M
2002年 林野庁長官賞
2003年 全国漆業連合会会長賞
/> /> /> /> /> /> /> /> /> /> /> />>
テーブルウェアー大賞
1997年 入賞
1998年 優良賞, 東京都知事賞
1999年 奨励賞, 優良賞
2000年 最優秀賞
ビアマグランカイ
1997年 札幌芸術の森賞
2000年 優秀賞
伊丹国際クラフト展
2002年 グッドマテリアル賞
上質で、毎日使うのにぴったりの漆の器たち。
漆塗りの器を普段の暮らしに気軽に使って欲しい。手塚氏の器にはそんな信念を持って制作にあたる気持ちが込められているようです。
小さなこどもからご高齢のかたまで、細やかにサイズを分けて制作されている畢生箸(ひっせいばし)、畢生椀。
下地の工程を簡略にして、漆を塗り重ねることで堅牢に作り、且つ日常に使っていただけるよう価格を押さえた手塚氏独自のシリーズ、乱曙(みだれあけぼの)や、乱根来の器たち。
そのほか、入れ子式の器や私の大好きなお弁当箱など、楽しい、嬉しい器がたくさんあります。
当店でも、少しずつ皆様にご紹介していけたらと思います。
毎日食卓で使う器、中でもとりわけ頻度の高い、お椀や丼、お皿などを中心にこれから少しずつ置かせていただきたいと思っております♪
きっと、日々の暮らしに潤いを与えてくれることと思います。 ~店主~